現在通っている工房は、
家具の作り手としての職人さんを育成することだけでなく、
森林資源をいかに有効活用していくかといった
循環型社会を見据えた教育にも力を注いでいます。
そのため、ただ作るというのではなく、自然科学的な知識を学ぶ講座が
毎週木曜日の夜開催されます。
これがまた、面白いのです。
今日は、地球史から人間と森林との関わり、現在の環境問題を考えるという
とても大きな内容でしたが、
一つ一つひも解いていくと、うーん、なるほど、という話が満載でした。
その中から硬い話はおいておいて、
なぜ桐のタンスは重宝されるのか、という話。
桐という木は広葉樹のなかでもダントツやわらかく軽い木なのです。
指でギュッと押すとへこむくらいやわらかい木です。
一生モノと言われる桐タンスがやわらかくて軽い??って一瞬、ん?ってなります。
でもなぜ一生モノといわれるタンスが桐なのかを知ると
いかに昔の人が木と密接に付き合ってきたかがわかるような気がします。
かつて日本人の服は着物などの和服が中心でした。
しかし、虫食いや空気に触れることによる色褪せなど
そのメンテナンスは大変な苦労があります。
そこで作られたのが桐のタンスです。
上でも書いたように、数ある木々の中でもダントツやわらかい木。
昔の職人さんはその性質を利用して、
気密性の高いタンスを作り上げたのです。
かいつまんで説明すると、
引き出しの寸法を間口より微妙に大きめに作るのです。
詳しくは知りませんが、コンマ何ミリの世界でしょう。
引き出しはタンス本体にしまわれるとき、間口が狭いゆえに
凹みながら収納されます。つまり空気の入り込む隙間がなくなるのです。
これぞ先人たちの知恵。職人の技でしょうか。
昔家にあった桐タンス。
引き出し一つを押しこむと別の引き出しがひょいっと出てきます。
これがその気密性が高いタンスなのです。
空気の逃げる隙間がないので、引き出しが押し出されるのです。
また、軽いという性質も重要なポイントで、
昔は車もない時代、移動するときにはやはり軽いほうがいい、ということです。
こういうことを知ると、
昔の人ってほんとすごいなぁって感心します。
もっともっといろんな知識を学んで、
自分もそういったそれぞれの木の性質を生かした
家具を作る職人さんになりたいなぁと思うのでした。
長くなってすみません^^
(ちなみに、写真は桐ダンスとは全く関係ありません)
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