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山本有三の「路傍の石」という小説を知っていますか?
知っていますかと聞いておきながら私も先日知ったんですが、
中国出張の時、たまたまホテルで見ていたNHKの
ドキュメント番組であるタクシードライバーが紹介されていました。

以前は会社の社長さんで
羽振りがよかった時代もあったけれど、
事業に失敗し豪邸からアパートの一室へ移り住む。
なんとかタクシードライバーとして雇ってもらえたけど、
過酷な労働条件は年寄りにはつらい。
営業成績もいつも後をさまよう。

自分の人生に迷いが出てきたとき、
たまたま乗せた客は息子の友人。
そのときは普通に接したのだけれど、
後日その客から手紙が来た。
「大手の会社で営業マンとして働いているが、
成績も上がらなく、このままやめようか迷っていた。
そんなときおじさんのタクシーに乗り
一度失敗した人生でもタクシードライバーとして
再出発したおじさんの力強い生き様をみせられ
自分やる気が出てきた」と言った内容。

人様に見せれるような人生でもない。
でも、自分らしく精一杯に働くことはできる。
これを機に、このタクシードライバーは
都内の交通網を研究。都内のイベントも押さえ、
どの時間どこへ行けば客を効率よく拾えるか、
すべての情報を調べ上げデータ化。
独自の営業ツールに仕立て上げ、
営業成績は常にトップを走ることになった。

ものすごい力強い話なんだけど、
この中でこのタクシードライバーが迷っていたときに
読んでいたのが、「路傍の石」でした。
つい気になって読んでみました。

明治の時代、主人公吾一少年は、
恵まれない家庭に育ち、若くして奉公にだされる。
道ばたの石のようにけ飛ばされる日々を通し、
世の中の厳しさ、社会の厳しさを学びながらも
純粋さを失わず、精神的にも経済的にも
自立していくストーリー。

時代は違えど、人の生きる様は変わらないと思います。

その小説の中に、こんなことばがあります。
「人生は死ぬことじゃない。生きることだ。
これからのものは、なによりも生きなければならない。
自分自身を生かさなくってはいけない。
たった一人しかない自分を、
たった一度しかない人生を、
ほんとうに生かさなかったら、
人間、生まれてきたかいがないじゃないか。」

今、恐慌という言葉が使われるぐらい、
不況に陥っていますが、
だからといって一緒になって騒いでいても
意味がありません。
こんな時だからこそできることをこつこつと
積み上げていく努力を惜しまずに、
吾一少年のようにやっていきたいと、
この小説を読み終えて、思うのでした。


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無題
なんか、グッときた。
Kagege URL 2008/12/26(Fri)12:39: 編集
Re:無題
だよねぇ
【2009/01/01 16:18】
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