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旅行期間:8/23/2005-9/2/2005(11日間)
移動手段:鈍行列車(JR)+長距離バス





8/30(七日目):
青森 (青森)→川部(青森)→鯵ヶ沢(青森)→深浦(青森)→東能代(秋田)→追分(秋田)→男鹿 (秋田)男鹿温泉(秋田)

(赤字は観光した場所。それ以外は乗り換え地点。)


青森は、折り返し地点だ。昨日、到着して、今日出発だ。これが、ねぶた祭りの時期だったらこの町にいる期間も長くなったであろう。しかし、青森の熱い夏はすでに過ぎ去っているのである。今日は、東北の西側、つまり、日本海へ沿って南下する経路をとり、最終的な目標地点は秋田県、男鹿半島である。男鹿半島の男鹿温泉郷は全国有数の温泉地で、日本海に沈む夕日を見ながら温泉に浸かれる最高の地だ。


さて、今日も予定変更があった。もともとの予定では、青森から弘前、大館、東能代と奥羽本線をひた走り、追分で男鹿線に乗り換えて男鹿まで行くというものであった。時刻としては、8時33分青森発、弘前に9時20分、追分に13時36分、男鹿に14時44分。しかし、ただ単に奥羽本線を南に下るだけでは、せっかくの東北地方、青森県を無駄にしているような気がする。ただの電車での移動でも楽しめる方法があるはずなのだ。そこで目にしたのは五能線である。弘前より一駅青森側にある川部という駅から五能線は出ており、西へ走り、日本海にそっていく。白神山地をぐるっと一周して、能代をとおり、東能代で奥羽本線と再び合流する。右は日本海、左は白神山地や岩木山を望むその五能線は、地方路線では絶大な人気がある路線だということは後で知ることとなる。


よし、この五能線でいこう。決断ははやい。早速時刻表のページをめくりにめくる。8時33分青森発は変わらない。9時11分に川部に着き、9時40分に五能線に乗り換える。ひたすら走り続け、東能代に13時47分に着き、13時57分に奥羽本線に乗り換え、14時44分に追分に着き、男鹿線に乗り換えて、15時39分に男鹿駅だ。


ボストンバックを担ぎ、昨日駅からホテルまで歩いた道を、逆方向で歩く。駅で、東北のお土産として、りんご味のコロンを買った。電車に乗り込む。朝が早いこともあり、この電車の中では大体寝てしまっていたと思う。あまり記憶がないのだ。30分後には川部駅に到着した。駅のホームしかないような駅だ。五能線はホームが違うので、高架橋をわたり3番ホームから1番ホームへ移る。自動販売機で缶コーヒーをかって、眠気覚ましに飲む。待ち時間は約30分だ。五能線は弘前から電車が出ているのだが、川部でも乗換えが可能なため、他の乗客もこの駅で待っている。


9時40分、いかにもローカル線というような電車が到着した。早速乗り込んだ。相変わらず「海辺のカフカ」を読み続ける。青森といえば、やはり思いつくのはりんごだろう。車窓から見えるのは一面のりんご畑だ。まさしく!すごい。期待を裏切らない。そして、この電車の中でまた新たな発見だ。地元の青森の人たちが乗り込んできたのか、話し声が聞こえるのだが、まったく何を話しているのか理解が出来ないのだ。完全に日本語ではない。確かに聞き取れるのは数字だけで、それ以外は全く検討がつかないくらい、意味が分からない。日本で日本人が日本人を相手にして会話しているのに、しゃべっていることが理解できない違和感が気持ち悪い。そんなとき、東北の富士と呼ばれる岩木山が左手に見えているのだ。助けを求めるように、視線と意識をそちらの壮大な山へ向ける。


電車は鯵ヶ沢で10分ほど停車した。ただ止まっている時間を椅子の上で過ごすのももったいない。駅だけでもその地の空気でもすってみようということで、一人カメラを持ってホームに下りた。そのまま、駅舎まで行き、中をぐるりと回った。すると、あるお相撲さんの写真が飾ってある。今は引退し、バラエティなどで活躍している舞の海だ。どうやら、ここは舞の海の故郷らしい。こんな北の国から小さな体一つであそこまで有名になったんだなぁと感心した。発車時刻が近づき、電車へ戻ることにした。この五能線には、とても普通じゃ読めない地名が多い。風合瀬(かきせ)などもその一つだ。電車は西へ向かっている。右手には日本海が広がる。珍しい地形や赤い色をした地もあり、乗客の目を楽しませている。とくに、一緒に乗っているおばちゃん連中はわいわいと五能線を満喫しているようだ。見かけはうちの母親と変わらないようだ。友達を連れ添っての電車のたびなんだろう。第2の人生という言葉もあるが、子育てを終えた後も楽しんで暮らせるのはいいことだ。




深浦で一度乗り換える。ここから今度は海岸線沿いを南に走ることになる。のんびりと各駅列車を満喫する。途中、すごく豪華な列車とすれ違った。展望車両やお座敷など見たからに特別列車だろうと思われるその列車の名前は「リゾートしらかみ号」。夏季限定の特別列車だった。いつか乗ってみたいと思う。電車は能代を過ぎ、東能代についた。時刻は13時47分。10分後に奥羽本線に乗り換える。追分に着いたのは14時44分。そこから、男鹿線に乗り換えて、終点男鹿までいくのだ。


電車はがらりとすいている。男鹿温泉は全国的にも有名な温泉地だが、客はどういう交通手段で来るのだろう。たしかに夏休みの終わりということもあってすいているのは分かるが、もうちょっと人がいてもいいかなぁと思う。相変わらず、電車の中では「海辺のカフカ」を読んでいる。もうそろそろこの小説も終わりに差し掛かっている。彼女は彼女で、海辺のカフカの上巻を十和田湖あたりから読み始めている。彼女もはまってしまったようだ。


男鹿に着いたのは15時40分ぐらいだった。駅を出ると、学校帰りなのか、学生服を着た若い子らがたくさんいて騒いでいる。さて、元湯雄山閣という温泉を予約したのだが、どう行けばいいのだろう?男鹿にきたはいいが、それは男鹿半島に来たということで、温泉に来たということではない。地図で見ても分かるように、男鹿半島だけで十分な広さがあり、とても歩いて周れるところではない。どうやら、温泉郷は男鹿駅から反対側の北側にあるようだ。そして、バスで男鹿温泉郷へいけることが分かった。バスの時刻を見てみると、15時45分とある。しまった、逃した!その次のバスが30分後なのだ。落胆する気持ちも抑え、駅周辺でも見て周るかと思ったとき、バスが一台きた。なんと、それが45分のバスだったのだ。どうやらすこし遅れて到着したようだ。さて、バスの中は小学生やらおじさんおばさん、高校生などいろんな地元の人が乗っている。よそ者は僕らだけのようだ。はじめは民家や商店街の間を縫うように走っていたが、途中から田園地帯や森の中などを走るようになった。30分ぐらい乗っていただろうか。彼女が、「本当にこのバスでいけるの?」と心配したように聞いてきた。「信じなさい」と返す。結局、バスは雄山閣というバス停で降りた。バス停の名前にもなっているじゃないか!「だからいったろ?」と、得意げになってみせる。


旅の終盤、最後ぐらいはいい温泉でゆっくりしようということで、奮発して立派な温泉を予約した。これまでのホテルと違い、仲居さんがいろいろと世話をしてくれる。そしてこの温泉は、元湯をそのままお風呂、露天風呂へと流し込んでおり、お湯も泥などが少し混ざった黄色っぽい色をしている。玄関には、どーんと僕の苗字が、他のお客の名前と一緒に張り出されている。なんか恥ずかしい。チェックインをして、部屋に通される。仲居さんが、世間話をしながら、お茶を用意してくれる。孫の話など出るわ出るわ。こういう仕事もよっぽど好きじゃなければ、成り立たない。話し好き、世話好き、二つそろっての仲居さんだ。


今日はあいにくの曇り空だ。天気がよければ、日本海に沈む夕日を見ながらお風呂に入ったりも出来るし、入道岬へ行って、その夕焼けにそまる空を拝むことも出来るのだが、天気のことはしょうがない。温泉周辺もとくに見て周るものもないということなので、部屋でほんとにのんびりすることにした。テーブルに置かれていた、男鹿のお土産の和菓子が本当においしい。これをお土産に買って帰ることを即決めたくらいだ。テレビをみながら、時間が流れるのを待つ。


というのも、ご飯の時間を18時にしてしまったのだ。旅館に着いたのが17時前なので、この日朝のちょっとした朝食以来何も食べていないかったからこそ、この夕飯の時間が待ち遠しい。すぐに用意してもらえばいいものを。ニュースを見ながら時間をすごそうとするが、おなかの空腹感が気を短くする。18時過ぎ、トントンとノックされ、早速お膳が運ばれてきた。すばらしい海の幸ばかりだ。うにやサザエ、かにまで。すばらしいね。しかーし、うには僕は嫌いです。ゴハンがお変わり可能ということで、もりもり食べさせてもらった。わざわざフロントに電話して、お変わりを要求するのも恥ずかしいが、それでも、食べたいのだからしょうがない。冷蔵庫からビール瓶もとりだして、彼女と二人で気持ちよく夕飯を食べることが出来た。ただ、あまりにも時間をかけすぎたのか、仲居さんが、もう下げてもいいか、もうさげてもいいかと何度も来た。ゆっくり食べすぎですか、ごめんなさい。


夜八時過ぎには、布団をしいてもらった。この布団を敷きにきてくれた女の子、見かけはしっかり者で25,6ぐらいに見たのだが、年を聞いてみると、なんと19歳!!高校卒業したばかりだという。そして、結婚もしているらしい!わお!彼女と二人で驚きを隠せない。あぁあぁ。びっくりだ。


夜は、本を読みながら寝てしまったようだ。彼女も本を読みながら寝てしまったみたいで、気がつくと、電気をつけたまま、布団もかぶらないで寝ている。起きるとき、僕はかなりの金縛りにあったのが、どうしても忘れることが出来ない。目を覚まして、あ、電気がついていると気づいたのだが、体が全く動かず、隣で彼女が寝ているのも見えたが、呼びかけようにも声が出ず、あー金縛りにあってるんだなぁとすこし抵抗してみた。体は動かない。目をあけても見えるのは天井ぐらいだ。しょうがない、このまま眠るかと思ったときに、体の自由が利くようになった。読みかけていた本をもう一度読みはじめ、「海辺のカフカ」を読み終えることにした。謎多く終わるこの小説に、いろいろ考えさせられたが、こういった旅行の共だからこそ、その考えも深いものになる。村上春樹の作品はノルウェーの森に次いで2作品目だったが、どちらも青春を語る作品で、これから自分はどういう生き方をしていこうか、と考えさせられるのだ。ノスタルジックな雰囲気を持つ村上春樹の作品が人気があるのも納得できる。


さぁ、夜も深い。部屋の電気を消して、再び寝ることにした。



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